うちの事務所(特定非営利活動法人ザ・ピープル)はリスポの向かい側にある小名浜まちづくりステーションというところの中にあって、当日はその中で震災に遭遇しました。その建物自体が耐震構造ではないということを震災の数日前の会議の中で言われていたので、非常に危ないということで表に飛び出しました。そして、タウンモールリスポの駐車場で建物がものすごく揺れたり、電線がしなったり、周辺のブロック塀が崩れたりするのを見ていました。
大津波警報が出たということは、サイレンや何かではなくて、「大津波警報が出たぞ」と誰かが言って走って回っているのを聞いて知りました。その後消防車が鐘を鳴らしながら海岸のほうに向かって走っていくのを聞きました。その時は大津波警報というものを全く想定できませんでした。それがイメージできない状況の中で、泉の自宅に義理の父が年寄一人で留守番しているので、彼のことが心配になって、とりあえず車で自宅に向かいました。結局のところ、ものすごい大渋滞。工場地域からの自宅に避難しようとする人たちの車の渋滞に巻き込まれて、普通は小名浜から泉まで15分ぐらいで走れるところが1時間たっても到着できなかったのです。ずっと車で走りながら、FM福島の放送で「大津波警報が出ている。30分後に来る」ということと、それから「慌てないで行動するように」ということをずっと繰り返し聞きながら、でも結局のところきちんとイメージはできないままに走りました。家にたどり着いたとき、家の中はめちゃくちゃの状態で、年寄りがもう半ば放心状態のような状態でいました。