証言記録

愛犬とお父さんと一緒に

私は以前からいわきの歯医者にかかっていて、3月11日も通院していました。いつもは楢葉から朝に来るのは大変だから午後2時半の予約にしているのだけども、その日に限って10時半に予約していたの。だから、今となっては、あんたに神様ついているんだわと言われけどね。

普段だったら、歯医者の帰りにはいつもいわきの妹のうちに寄っていくんですよね。その日も「お昼でも食べていったら」と妹に言われたんだけど、うちのお父さんを家に置いてきたから、「いや、帰えるわ」と食べないで帰ったの。普通なら午後までゆっくりしているのに、その日に限ってやっぱり帰るって言ったのね。

 それで、帰り道にガソリンを満タン入れて、久之浜の海岸通りを走っていって、その途中、お店でお昼ごはんを買って帰りました。うちへ着いてからお昼を食べて・・・それで2時46分を迎えたの。だから、もう何が何だかさっぱりわからなくて。

 足が不自由なお父さんをとにかくここから安全な場所に移動させなければと思いました。うちの納屋は柱をすごく頑丈に鉄骨つくってあったので、そこだったら地震でも大丈夫だと思って、「お父さん、そこに行っていて!」と連れて行きました。犬も飼っているのだけど、私は前世犬でないのかなと思うくらい犬が大切で、その夜も犬と一緒に寝ようと思った。だから、犬で悩んでね。

 その晩、みんなは福祉会館とか集会所に泊まりました。でも、私は嫁と2人で地震で倒れた台所の茶だんすやガラスの破片など家の中を片づけて、犬もかわいそうだから家の中に入れて、その晩は犬とお父さんと一緒に寝ました。

インタビュー日 2012年11月 1日
インタビュー証言者 N・W(女性)
地域 楢葉町

詳細情報

対象時期 震災当日
災害の種類 地震

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